心理カウンセリング(心理療法)を受けるにあたり

(1)ご自身の主体性とカウンセラー(セラピスト)との協働作業

(2)症状の変化と揺らぎの活用

(3)継続的なセルフモニタリングの実施

(4)状況に応じた学習と記録

(5)心理カウンセリング・心理療法の約束

 

心理カウンセリング・心理療法を実施するにあたって、より良い内容にしていくために、幾つか知っておいて欲しいポイントがあります。心に留めていただけると助かります。

ご自身の主体性とカウンセラー(セラピスト)との協働作業

症状や悩みの多くは、検討したり、整理をしたり、何らかの対応をとって解決することができます。

その場合、具体的な気持ち、考え、感じ方、状況、記憶していることなど、それを知っているのは、カウンセラー(セラピスト)ではなくご自身になります。

また、ご自身の考えや感情、行動、身体感覚、記憶などは、身体的な病気や怪我と違い、カウンセラー(セラピスト)の意思で操作できるものではありません。心の全ては自分の中にあるため、それを変えられるのは自分しかいません。カウンセラー(セラピスト)が尽力しても、人の心を勝手に変えることは不可能です。

それゆえに、カウンセラー(セラピスト)はご自身が自分の心のあり方を変えようとする試みを補助する役割であるといえます。

このため、できる限り、ご自身が自らの問題に取り組む主体性をもつこと、そしてご自身が把握していることをカウンセラー(セラピスト)に伝え、協働で問題解決に取り組むことができると、とても効果的にカウンセリング・心理療法を進めることができます。

症状の変化と揺らぎの活用

心理カウンセリング・心理療法の途中で、ある程度の気分の上下が生じることがみられます。しかし、心理カウンセリング・心理療法にとって、それは重要な情報源となります。一体何がご自身を悪化に導いているのかが、そこからわかる場合があります。

また、トラウマを処理する時には、できる限り慎重に、十分な準備を整えて、安全に進めていく作業をしていきますが、辛い体験に触れる必要があります。その時に一時的に調子が悪くなったことがあるため、重要な問題から回避しようとする時があります。

ですが、辛い時ほどトラウマを処理するチャンスですので、回避に走らずに、ゆっくりと慎重に辛さに向き合う姿勢でいることが大切です。

カウンセリング・心理療法の最中や次回までの間で、何か気分や体調の変化などがあったときには、是非カウンセラー(セラピスト)に教えてください。症状の悪化があっても「災い転じて福となす」ことができます。

継続的なセルフモニタリングの実施

ご自身が経験するあらゆる出来事に対して、ご自身がどのように受け止められているのかを明確にすることが、必要不可欠になります。

日常生活や職場などさまざまな場面で、ご自身の頭に浮かんでいる考えや、価値観、信念、意味、さらには感情や身体反応などを継続的にモニタリングすることができれば、それは問題解決に大いに役立ちます。

状況に応じた学習と記録

人がある状況に応じて学習していることは、その特定の状況で再現されやすいものです。カウンセリング・心理療法では思い出せないことでも、ある特定の状況では気づくことがあります。

そのため、記憶や考え、行動、感情、感覚、対人関係のパターンなど、ご自身で何か重要と気づいたことがあった時には、それを記録するとよいでしょう。

 

心理カウンセリング・心理療法の約束

当オフィスの継続的な心理面接を利用されるときには、心理面接についての取り決めに同意したとみなしますので、下記ページをご確認いただくようお願いいたします。

心理カウンセリング・心理療法の約束